ドライバー募集の免許要件を、母集団の側から見直す
公開 2026年9月2日
ドライバー募集で応募できる人の数をいちばん大きく動かすのは、そこで求める免許の区分です。条件や訴求を直すより先に、ここが実態に合っているかを確かめたほうが早いことがあります。
確かめ方は単純で、自社が実際に運転させる車両の車両総重量を調べ、そこから必要な区分を確認することです。「昔からこう書いている」という理由で必要以上に上の区分を求めている例は珍しくありません。
免許の区分は途中で変わっている
貨物自動車の免許区分は、平成29年3月12日に変わりました。普通・中型・大型に加えて、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満等の自動車が「準中型自動車」として新設され、これに対応する「準中型免許」が設けられています。
重要なのは、この改正より前に普通免許や中型免許を取得している人は、改正後も同じ範囲の自動車を運転できるということです。つまり「普通免許」と一口に言っても、取得時期によって運転できる範囲が違います。
出典:警視庁 準中型自動車・準中型免許の新設について(2026年9月2日確認)
ここで示したのは、警視庁が公表している制度の区分だけです。個別の方がどの車両を運転できるかは免許証の記載で決まり、どの車両にどの区分が必要かの判断も含めて、当社は判断しません。採用要件を確定させる前に、所管の警察および最新の情報をご確認ください。(引用した警視庁のページの更新日は2023年8月3日です。)
自社の車両から逆算する
募集条件を決める順番は、求人票からではなく車両からです。
- 運転させる車両を全部書き出す | 車検証に車両総重量が記載されています
- いちばん重い車両を特定する | 求める区分はここで決まります
- その車両に対応する区分を確認する | 制度の区分は一次情報で、個別の可否は所管の警察でご確認ください
- その車両を運転させない配属があるか考える | あるなら、その枠は別の条件で募集できます
4つ目が効きます。すべてのドライバーが最も重い車両に乗るわけではない現場は多く、車両サイズごとに募集を分けると、応募できる人の数が変わります。
求める区分を下げられる3つの場合
1. 小さい車両から始められる
配属時に小型車両を担当し、慣れてから大きい車両に移る運用が可能なら、着任時に求める区分が変わる可能性があります。どの車両にどの区分が必要かを確認したうえで、その段階を求人票に書きます。
2. 入社後に取得してもらえる
取得を入社後に支援する運用が取れる場合、着任時に求める区分の置き方が変わります。ただし費用の負担、取得までの業務、取得後の勤務条件を先に決めて明記してください。ここが曖昧なまま「取得支援あり」とだけ書くと、応募者は判断できません。
3. 実は必要なかった
車両を入れ替えたのに募集条件を更新していない、他社の求人を参考にしてそのまま書いた、といった理由で実態より上の区分を求めていることがあります。車検証で確かめてください。
下げてはいけない場合
実態より緩く書くのは、下げることとは違います。運転させる車両に対応しない区分のまま採用すると、配属できない事態が起きます。条件は正確に書く。それが応募数にも定着にも効きます。
- 運転させる車両に対応する区分は、正確に書く
- 取得支援がないのに「支援あり」と書かない
- 配属によって条件が違うなら、募集を分けて書く
要件を直しても足りないとき
そこを実態に合わせても、その通勤圏に該当する人がいなければ母集団は増えません。その場合は募集の書き方ではなく、経路そのものを増やすか、対象を広げる話になります。
- 媒体の外に応募経路をつくる | 拠点・車両からのQR応募など
- 現場職の外国人材採用支援 | 自動車運送業は特定技能の対象分野に含まれます
- 現場人材の人材紹介 | 人数が限られる採用に向きます
よくあるご質問
普通免許で運転できる範囲を教えてください。
取得時期によって異なります。平成29年3月12日の改正前に普通免許を取得した方は、改正後も同じ範囲の自動車を運転できます。個別の範囲は免許証の記載で決まるため、当社は判断しません。警視庁のページをご確認ください。
免許取得支援は応募数に効きますか。
効くことがあります。ただし「支援あり」とだけ書かれていると応募者は判断できません。費用の負担、取得までの業務内容、取得後の勤務条件を明記したときに差が出ます。
車両サイズごとに募集を分けると手間が増えませんか。
掲載の手間は増えます。ただし要件が下がる枠が生まれるため、応募できる人の数は増えます。全枠が最も重い車両の要件で縛られている状態と比べて、どちらが早いかで判断してください。