求人票に「資格必須」と書く前に、それがどれなのかを確かめる
公開 2026年9月25日
倉庫や製造の求人で「資格必須」と書くとき、その中身は免許・技能講習・特別教育のいずれかであることが多く、3つは別の仕組みです。
とくに特別教育は、危険・有害な業務に労働者をつかせるときに事業者が行わなければならない教育です。つまり事業者側の義務です。外部機関で受講させることもできるため、応募者が既に受講している場合もありますが、事前に持っていることを前提にする必要はありません。ここを混同すると、採用要件を自分で不必要に狭めます。
3つは別の仕組み
厚生労働省の案内から、それぞれの位置づけを整理します。
免許
労働安全衛生法に基づく免許については、免許試験に合格した場合や一定の要件を満たしている場合、都道府県労働局長に申請し、免許証の交付を受けることができます。
技能講習
各都道府県労働局の登録を受けた機関が実施しています。技能講習の修了者には修了証が登録機関から交付されます。
特別教育
危険・有害な業務に労働者をつかせるときに事業者が行わなければならない教育です。
あわせて、事業者は外部機関が実施する特別教育を受講させることができます(その外部機関は都道府県労働局の登録を受ける必要はないとされています)。つまり応募者が外部機関で既に受講している場合もあります。
出典:厚生労働省 労働安全衛生関係の免許・資格・技能講習・特別教育など(2026年9月2日確認)
どの業務にどれが必要かは、この記事では判断しません。業務ごとの扱いは所轄の都道府県労働局または労働基準監督署にご確認ください。
採用要件への落とし込み
上の整理から、募集の書き方が変わります。
| 区分 | 誰が持つものか | 募集での扱い |
|---|---|---|
| 免許 | 本人が取得し、免許証の交付を受ける | 着任時に必要なら要件にする。入社後取得なら支援内容を書く |
| 技能講習 | 本人が修了し、修了証の交付を受ける | 同上。修了証の有無で確認できる |
| 特別教育 | 事業者が行う教育 | 必須要件にする前に、自社または外部機関で実施できるかを確認する |
3行目が要点です。事業者側で用意できるものを必須要件として書くと、本来応募できたはずの人が応募しなくなります。
求人票を見直す手順
- いま「必須」と書いている項目を全部書き出す
- それぞれが免許・技能講習・特別教育のどれかを確認する | 所轄の労働局・労基署に確認する
- 事業者側で用意できるものは要件から外す | 代わりに「入社後に実施」と書く
- 着任時に必要なものだけを残す | 入社後取得でよいものは支援内容とセットで書く
2つ目を自己判断で済ませないでください。社内で使っている呼び名が、制度上の区分と一致しないことがあります。
要件を整理しても足りないとき
要件を実態に合わせても、その通勤圏で人が集まらないことはあります。倉庫の立地や時間帯の問題であることが多く、物流・倉庫の採用支援にまとめています。経路を増やす話はこちらです。
よくあるご質問
特別教育を応募条件にしてはいけないのですか。
厚生労働省の案内では、特別教育は危険・有害な業務に労働者をつかせるときに事業者が行わなければならない教育とされています。応募条件にすること自体の可否をこの記事では判断しませんが、事業者側が行うものである以上、要件にすると母集団を狭めることになります。
技能講習の修了は、どう確認すればよいですか。
厚生労働省の案内では、技能講習の修了者には修了証が登録機関から交付されるとされています。確認方法や再交付の扱いは、実施した登録機関または都道府県労働局にご確認ください。
どの業務にどの区分が必要か教えてください。
この記事では判断しません。所轄の都道府県労働局または労働基準監督署にご確認ください。